iDeCoの仕組みやメリット、デメリットについて

世界でも有数の長寿命国と言われる日本は人生100年時代に突入しました。
厚生労働省が発表した「平成30年簡易生命表」では、現在65歳の方の平均余命は男性19.70年、女性24.50年で、65歳で会社を退職したり、仕事をリタイアしたりしたとしても、65歳から20年以上は生活する資産を用意する必要があります。

会社に勤めていた人は退職金や厚生年金があり、自由業や主婦では国民年金、生命保険会社が用意している個人年金などがありますが、それだけで老後の資産が足りるでしょうか?

そこで重要なのが長期化する老後においての資産形成です。
資産形成の一つに20歳以上、60歳未満のすべての方が加入できる年金のiDeCo(イデコ)があります。

今回はiDeCoの仕組みやメリット、デメリットについて紹介します。

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは

iDeCoとは個人型確定拠出年金のことで、厚生年金や国民年金などの公的年金にプラスして、原則60歳以降に老齢給付金が受けられる私的年金制度のことです。

iDeCoの加入年齢は、20歳以上60歳未満で、掛金は月額5,000円から1,000円単位で選べ、掛金を自分で運用しながら積み立てていきます。
運用する商品は投資信託や信託商品、定期預金、保険商品などがあります。

iDeCoのメリット

iDeCoのメリット

iDeCoにはさまざまなメリットがあり、そのなかでも主な4つを紹介します。

①iDeCoの掛金は全額所得控除される

iDeCoの掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されます。

たとえば毎月1万円の掛金で所得税と住民税がそれぞれ10%かかるとしたら、年間2万4,000円分の税金を節約できます。
所得控除を受けるには年末調整や確定申告での手続きが必要です。

②iDeCoで利息や運用益が出た場合でも非課税

金融商品の運用益には源泉分離課税として20.315%課税されますが、iDeCoの運用商品の利息や運用益については非課税です。

たとえば投資信託で10万円の運用益が出た場合には、2万315円の税金が差し引かれるところ、iDeCoなら税金は0円です。

③iDeCoではいろいろな受け取り方が選べる

老齢給付金は原則60歳から受け取れますが、受け取り方も自分で選択できます。

60歳になって一括で受け取る「一時金」。
公的年金が支給されるのが65歳なので60歳から年金を分割して受け取る「年金」。

60歳で年金の一部を一括で受け取り、残りを分割して受け取る「一時金+年金」の3つです。

ちなみに2022年5月からは、国民年金被保険者であれば65歳まで掛金を積み立てられるように期間が延伸されます。
国民年金被保険者とは、国民年金の加入が義務付けられている20歳以上60歳未満の国民のことです。

会社員や公務員の多くが加入している厚生年金の保険料には、国民年金の保険料も含まれているため厚生年金加入者も国民年金被保険者です。

④iDeCoでは受け取り時も各種控除の対象となり税制優遇措置がある

iDeCoの受け取り方には「一時金」「年金」「一時金+年金」という3つの受け取り方があり、その受け取り方によって税制優遇措置があります。

一時金として受け取った場合は退職所得控除、年金として受け取った場合は公的年金等控除、一時金+年金として受け取った場合は退職所得控除+公的年金控除が受けられます。
どの受け取り方でも控除の対象となり一定額まで税金はかかりません。

iDeCoのデメリット

iDeCoのデメリット

メリットの多いiDeCoですが、デメリットもあるのでしっかり確認しておきましょう。

①iDeCoは元本割れのリスクがある

iDeCoは、あくまでも自分で商品を選び資産運用していく「投資」です。

定期預金や保険商品などの元本確保商品のほかにも、投資信託のように経済情勢や市場環境によっては損失が出てしまうものもあります。
元本確保商品に比べると、投資信託はリスクが大きいぶんリターンが期待できますから、自分にあった金融商品を選ぶといいでしょう。

②iDeCoは原則60歳まで引き出すことができない

iDeCoに税制優遇措置があるのは老後の資産形成を目的としているからで、原則として60歳にならないと年金資産を引き出せません。
ただし、iDeCoの加入者が死亡した場合や一定の障害状態になった場合には60歳前でも受給できます。

③iDeCoは加入から受け取り終了まで手数料がかかる

iDeCoは、加入する時、運用期間中そして受け取る時にそれぞれ手数料がかかります。
手数料は商品を取り扱っている金融機関によっても違います。

たとえば大和証券、SBI証券、松井証券、楽天証券では、加入時、移管時に国民年金基金連合会へ2,829円の手数料が発生します。
また掛金を拠出している間は、掛け金の納付ごとに国民年金基金連合会へ105円、信託銀行へ毎月66円かかります。
新たな掛金を拠出していない場合には信託銀行へ66円。どちらにしても運営管理手数料は0円です。

給付を受ける場合には信託銀行へ1回440円、掛け金を返還する必要が生じて還付されるときには国民年金基金連合会へ1回1,048円、信託銀行へ1回440円。
他の金融機関に移管する場合は4,400円かかります(すべて税込み)。

iDeCoと公的年金、企業年金の違い

iDeCoと公的年金、企業年金の違い

日本の年金制度は3階建てで構成されています。

1階には公的年金制度として全国民が加入する基礎年金の「国民年金」と、2階には会社員や公務員が加入する「厚生年金」があります。
3階には私的年金制度として会社員が加入する「企業年金」があり、企業年金は確定給付型企業年金と企業型確定拠出年金、厚生年金基金に分かれます。

このほかにもいろいろな年金があるのですが、その一つが個人型確定拠出年金であるiDeCoなのです。

iDeCoはこんな人におすすめ

iDeCoはこんな人におすすめ

iDeCoは加入資格によって月額の拠出限度額が決められています。
公務員では1万2,000円、企業年金がない会社員は2万3,000円、専業主婦(主夫)は2万3,000円、自営業者は6万8,000円です。
掛金の限度額が高いとそれだけリターンも期待できます。

また、高所得者ほどiDeCoのメリットである所得税控除を最大限に生かせます。
同じ拠出額だとしても、年収の違いによって節税効果は大きく違ってくるからです。
そのため専業主婦(主夫)や自営業が向いているとは言いましたが、年収が低く所得税や住民税をそもそも納めていない人は所得税控除を受けられません。

iDeCoの運用商品は3~35商品と決められているため、初心者でも選びやすいという特徴もあります。
高所得者で投資に時間をかけたくない忙しいビジネスパーソンに向いているでしょう。

税制上の優遇措置があるiDeCoで老後生活を豊かにしよう

金融庁の金融審議会 市場ワーキング・グループの報告によると、夫婦で80~95歳まで生きるとしたら1,300万~2,000万円の資産が必要だと言われています。

人生100年時代を安定して豊かに暮らすためにも、早い段階から資産形成が求められています。
そのためには株式投資、不動産投資、ETFなどに分散投資をして資産を増やすのもいいでしょう。

老後の資産だけを考えると個人確定拠出年金であるiDeCoに加入して、60歳をすぎてから年金を受け取るという方法もあります。
今すぐに使いたいお金ではなく、将来に必要であるお金をiDeCoでゆっくりと増やしていきませんか?